血液検査の見方と運動療法、食事療法について
こんにちは、あずまクリニックの院長の広沢です。
本日は、よくある健康診断の結果のうち血液検査の解釈と、運動、食事療法について少し記事にしてみます。
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まず血液検査の結果についてですが、上の表の通りです。
血液検査も奥が深いので、詳しく説明を始めるとキリがありませんし、実は一番重要なのは、「受けた患者さんにより解釈は異なる」
ということであるとも思っています。
なので一般的なこと、本当に入り口の部分の知識を、食事運動療法と絡めて簡単にまとめてみましたが、もし再検査や要治療になっている方は、ぜひ相談にいらしてください。
患者さんが納得し、ご理解頂けるよう、説明をさせていただきます。
なお、これらの検査の多くは異常を認めても無症状なことが多いです。症状がないので、治療に通うのが面倒だと思ってしまいますよね。
しかし、コレステロールや中性脂肪、血糖の異常に加えて高血圧や喫煙などの動脈硬化リスクは値が悪ければ悪いほど、リスクや異常が重なれば重なるほど何倍も心筋梗塞や脳卒中のリスクが増加します。
例えば、
悪玉コレステロールが180を超えている人は上記疾患のリスクが正常な方と比べて4~5倍と言われています。
将来、このような疾患を発症しないように、きちんとした治療が必要です。
異常値が続いている方はぜひ治療について、かかりつけの先生と相談してください。
続いて運動療法についてです。
運動療法には、多くの効果が以前より示されています。表のコメント欄にも示していますが、血中脂質の改善、血糖値や脂肪肝の改善などが期待されます。
運動療法にはそれ以上の効果もあると思います。
最近では筋肉に一定の負荷をかけることで、精神的な安定が得られたり、うつ状態に好影響をもたらすなどの報告も多数でています。
社会人になり、運動する機会がほとんどなくなってしまった人も多いかもしれません。久しぶりに運動をすると、とても気持ちの良いものであることを思い出します。
ぜひ時間を作って適度な運動の継続を心がけましょう!
最後に食事療法についてです。
食事については、漠然と色々なところで情報を得ていると思います。
一般的には、カロリーを抑えて、糖分や脂質をとりすぎず、塩分を控える。そしてお酒を飲みすぎない、といったところでしょうか。
やはりこのあたりが基本だとは思います。
みなさんがあまり知られていないトピック的なこととしては、
「コレステロールは食事療法をしても下がらないことが多い」
ということで、欧米などでは食事療法のコレステロール制限は何年も前にすでに撤廃しています。実は日本もその流れなのですが、あまり一般的にこの情報が広まっていません。
かといって、コレステロールが多い食事をとりすぎて良いというのは言い過ぎであると思いますので、あくまでもバランスの良い食事が大事だと思います。
でもバランスの良い食事とは、具体的にはどのような食事でしょうか。
最近、世界的には「地中海食」というのが注目されています。
オリーブオイルや魚介類、野菜も多く取れる食生活ですね。気になる方は、インターネットで地中海食を調べてみてください。とても参考になる記事がたくさんあります。
日本人がそれに合っているかどうかはまだもう少しエビデンスの蓄積が必要かもしれません。「塩分が少なめの和食」も日本人にとっては健康的である可能性も高そうです。日本人に古くから親しまれた食事である、魚と野菜を中心とした食事です。ただ、和食の場合、気をつけないとややタンパクが少なくなる傾向もあるので注意が必要です。
食べ物で体は作られています。
生活習慣の中でも最も大事なものであると思いますので、食生活に気をつけて、健康長寿を目指しましょう。
なお上記の通り、悪玉コレステロールを食事療法だけで下げるのは意外にも難しいので、運動療法と合わせて薬物治療も検討されます。いつでもご相談ください。
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